07??ループ

◆ループ 目覚めると、真っ暗な部屋の中にいた。 目が慣れて来たころ、ここが自分の部屋であることを思い出した。 天井にぶら下がっている蛍光灯は、外からの光で薄っすらと形がわかる。 時間を確認するために、右手だけを持ち上げて携帯を探す。携帯の感触が…

0803口論

◆口論 さいきん、数年ぶりに隣人が越してきた。 むかし隣室に住んでいた家族が入居後一年ほどでどこかへ引っ越してしまって以来のことなので、久しぶりの感覚に戸惑っている。 ・・・ 私はいまの入居者の中ではおそらくもっとも長くこのアパートに住んでいる…

0604映画館とゲームセンター

映画館にいた。 私はどこかの温泉施設からの帰りだったらしく、ぬるま湯の張られたケロリン桶を二つ両脇に抱えたまま座席に腰を下ろした。 映画の内容はまったく覚えていなかった。 覚えてもいない映画に感動して泣きじゃくりながら、洗面器の水を飲み干した…

0528下宿部屋の話

知らない街の大きな街路を歩いていた。 正確にはまったく知らないわけではないようで、進む方角の正しさだけを確信していた。 なにかやるべきことがあったような気がするが、思い出そうとすると頭に靄がかかったように意識が遠ざかっていくので、何も考えな…

0525 電話する女

祖母の家にいた。 片付けをしている最中のようで、家の中には古い家財道具が積み上がっている。私は手伝いにきており、こまごまとしたものを運んでは捨てたりしていた。 ふいに電話が鳴った。祖母が対応しているのを横目に、片付けを再開する。 埃をかぶって…

0524 花のある構内

◆ おそらくどこかの大学構内にいた。 花を見に来たはずだった。 駐車場の先にある花のトンネルを抜けると、平野にポツポツと草が生えたような土地があった。うっすらと道になっているようだったが無視して歩き回っていた。池には水蓮が浮かんでいた。 空は薄…

0521 猫殺し

昔住んでた家と似た場所に一人で座り込んでいた。 足元に私物が転がっていたので、すべて片付けようと思い立ち、何かを掴んだ。DS liteだった。 ほど近くに懐かしいアドバンスのソフトを見つけたので、久しぶりに遊ぼうと本体に差し込んだ瞬間、DSが火花を散…